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変わりゆくキミへ

朝。
久しぶりに、ここからデカセギにいった男のコから電話がきました。
もう1年と2ヶ月くらいになります。時々電話してきてくれるんだけど、ずいぶん
日本語がじょうずになったなぁ、というかんじがしました。前からしゃべれたけど
もっと難しいことばもわかるようになったし、何より「コロニア語」が全くでない。
それは、ポルトガル語と日本語がまぜこぜのことば。(例えば「忘れた」というとき、
ポ語はエスケセール、それを日本語とまぜて「エスケスィした」というぐあい。
日本語&英語もたくさんありますね、最近。)私のほうがばりばりコロニア語に
なってた。

でもなんだかちょっと元気のない声。

「遊ぶところがなんにもないんだもんなー。」

田舎だからディスコがないとでもいうのかと思ったら、魚釣りがしたいけど
海も川もない、ということだった。そういえば、こっちにいるときはいつでも
つり竿かついでたっけ。

「友達も、いないし…」

デカセギにいって、会社と家の往復だけで、何かのコミュニティーに入るのも
むずかしいんでしょう。それに、デカセギ者の扱いは日本では残念ながら
あまりいいものじゃないから…。
前、ブラジルの凧をつくって遊んでいたら日本の子ども達が集まってきて、
作り方を教えてあげて、一緒に遊んで、とってもうれしかったよ。
って話してくれたことあったね。
こどもはへんなフィルターのかかった目で見ないから。

「家も道も、ぜーんぶちいさいし…」

そうだよね、なんでも大きいブラジルに比べたら。
気持ちまでキュウキュウにならないでね。
そのサイズの中で、心の広がりを見つけられるように願っているよ。

「あと、どうしてか、こっちに来てから髪の毛がたくさん抜けるんだよ」

!?

「でも、ブラジルにはもう帰らないよ。」

そういわせる日本には何があるの?
そういわれるブラジルには何がないの?

2重国籍をもつ21歳のキミは、結局、どちらを選ぶようになるのでしょう。


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